北朝鮮の労働新聞が17日、故・金正日総書記と許宗萬(ホ・ジョンマン)在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)議長の「同志愛」を強調する記事を、3分の2ページを割いて大きく掲載した。

許議長は昨年9月初旬から1カ月以上にわたり平壌に滞在したが、金正恩氏との面会がかなわず本国に対する不満を吐露していたとされる。労働新聞の大きな扱いは、競売にかけられた総連本部ビルの維持に成功した許氏に対し、北朝鮮が「論功行賞」的な意味合いから金正恩政権の「信任」を示したものである可能性がある。

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労働新聞が掲載した記事のタイトルは、「私たちの将軍様と海外革命同志」。許氏が朝鮮総連の副議長だった1990年代初め、北朝鮮を訪問して2度、正日氏と会ったエピソードについて記述。正日氏の次のような言葉を紹介している。

「許宗萬同志は長い間、総連の強化発展のために献身的に闘争してきましたが、総連中央副議長としてはまだ若かったので、この先多くのことをすることができていると考えます……これから互いに力を合わせ、総連の強化発展と祖国の自主的平和統一を達成するための闘いをひとつ立派に推し進めていきましょう」

「敵区で活動している同志たちは、祖国への愛と同志への懐かしみが誰よりも強いのです。私たちは敵区で活動している革命同志たちを思いやり愛さなければなりません」

同紙はまた、1990年代半ばの「苦難の行軍」時代には朝鮮総連にも危機が迫っていたとし、許議長が「捏造報道とデマ」で窮地に立たされたときに、正日氏が彼を「大空のような信頼」で包んだとも書いている。

これについて朝鮮総連の元幹部は、「許氏が窮地に立たされたというのは、朝銀信組が破たんした責任を問われて四面楚歌になったときのことだろう。あのときも確か、労働新聞が金正日総書記と許氏のツーショット写真を掲載したことで許氏の権威が復活し、政治生命を長らえたのだ」と説明した。

労働新聞20150217
金正日総書記と許宗萬氏に関する記事が掲載された労働新聞2月17日付紙面

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