北朝鮮当局は、電波を探知する「検出哨所」を国境地域に設置したり、ドイツ製の高性能電波探知機を導入したりするなど、携帯電話で中国や韓国と通話する行為の取締に躍起になっている。

金正恩氏は昨年11月、携帯電話での違法通話を取り締まるよう指示。それを受け、「方針検閲」のために国家安全保衛部15局の職員が両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)市に派遣された。

しかし1月30日になって、保衛部が携帯電話使用で逮捕した人々を全員釈放したと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が10日、報道した。

「密告すれば無罪にしてやる」と保衛部

両江道の内部情報筋はその理由について、RFAに対しのように語っている。

「彼らは不起訴処分となったわけではなく今年9月までは仮釈放の状態だ」

「その間に脱北を試みる者や韓国と連絡を取っている者を見つけて告発すれば完全に無罪となる。しかし、それができなければ再度収監される」

違法な携帯電話使用者たちは、逮捕されひどい拷問を受けたと伝えられている。そうして得られた自白で「容疑者」を概ね把握した保衛部は、収監者をおとり捜査に利用するため、スパイに仕立てて仮釈放したのだ。

「彼らは仮釈放される際に『中であったことを一切話さない』という念書を取られている。周りの人々は、『方針検閲』で捕まったから重罰に処せられると予想していたのに、それに反して釈放されたことを非常にいぶかしげに思っている」(内部情報筋)

人々に携帯電話で話す自由すら与えず、その上スパイを仕立てて疑心暗鬼を呼ぶとは、二重に罪深い行いと言える。

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