北朝鮮の銀行に預けても「引き出せない」

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北朝鮮政府は2009年11月30日に100対1のデノミ(通貨切り下げ)措置を発表した。同時に交換できるのは1世帯あたり10万ウォンまでで、残りは国に収めるか銀行に預けるようにした。しかし、銀行に預けても引き出せないので、事実上国に全財産を奪われたも同然となった。

幹部や富裕層は、それ以前から私有財産をドルや人民元に両替して保有することが一般化していたため、大きなダメージは受けなかったが、主に北朝鮮ウォンを使っていた一般庶民や市場の商人たちは大打撃を受けた。

また、デノミ以前でもインフレは起こっていた。2004年と2009年のコメ1キロの価格は人民元では3.6元と落ち着いているが、北朝鮮ウォンでは800ウォンが2200ウォンと激しく上がっていた。デノミ後はさらに激しいインフレを引き起こし、コメの値段は2ヶ月で30倍以上に上がった。【参考記事】北コメ価格が連日最高値を更新…1キロ3500ウォン