北朝鮮の平壌市では新年を迎えて、市民に「ハタハタ1キロ」と「ビール1瓶」の配給を実施した。ところが市民からは不満の声が上がっていると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。

詐欺のような配給に怒る平壌市民

同放送は、咸鏡北道(ハムギョンブクト)内部情報筋が最近平壌で聞いた話を次のように紹介した。

「ビールを配給するからその代わりに欠けてないビール瓶を2瓶供出するようにと人民班で言われた」

「3400ウォン(約48円)払って市場できれいな中国製のビール瓶を2本買ってきて供出した」

「ところがもらえたのは1500ウォン(約21円)のビールで、瓶の口も欠けていた。もらわない方がマシだった。ムカつく」

平壌市当局は「洗浦(セポ)大地の開拓地と炭鉱に支援用物資として送った」と言い訳しているが、市民たちは「どうせ幹部のところに送られたんだろう」と不満の声を上げている。

さらに配給されたビール瓶が汚れていて、同時に配給されたハタハタが腐っていたことでも平壌市民の不評を買っている。

「停電も断水もしょっちゅうだから、あんなに大量のビール瓶を洗浄できるわけがない。あんなの気持ち悪くて飲めない」

「金正恩の急な指示で東海岸から平壌に輸送したハタハタだったが古くて腐っている」

「貧しい人たちは『元帥様(金正恩)のおかげ』と喜んでいるようだ」(内部情報筋)

一方、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の会寧(フェリョン)では、12月24日の金正淑氏(キム・ジョンスク、金正日氏の母親)誕生95周年に合わせてハタハタ2キロに豚肉400グラムが特別配給された。また、両江道(リャンガンド)の恵山(ヘサン)でも4キロのハタハタが配給されたとRFAは伝えている。

ところが、鮮度が落ちる上に、低級品のイカも混じっていることから人々の評判は悪いという。鮮度のいいハタハタは市場で1キロ人民元3元(約57円)で売られているが、配給されたハタハタは1キロで1ウォン40チョン(約0.19円)にしかならない。

北朝鮮のビール(右)、イチゴサイダー(中)、ミネラルウォーター(左)
北朝鮮のミネラルウォーター(左)、イチゴサイダー(中)、ビール(右)

北朝鮮当局は、配給のたびに「金正恩氏の“人民愛”のおかげだ」と喧伝するが、庶民は「質の低い配給品を押し付けて恩着せがましく振る舞っている」と冷めた受け止め方をしているようだ。

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