北朝鮮製のスマートフォン「アリラン」(本文とは関係ありません)
北朝鮮製のスマートフォン「アリラン」(本文とは関係ありません)

停電は日常茶飯事 ソーラーバッテリーは必需品

北朝鮮の電力難の深刻さを伝える報道が最近続いている。デイリーNKでも西海閘門や茂山鉱山など国の基幹施設が停電で稼働できない状態であることを報道した。

金正日氏の追悼期間や金正恩氏の新年の辞の放送時間帯だけテレビを見させるために電力を供給して、その日が終わればまた電力の供給を取りやめている。

【参考記事】
北朝鮮、電気が通るのはニュース時間帯のみ
「北の誇り」西海閘門も電力難で稼働停止

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)も8日、携帯電話の基地局もソーラーバッテリーを利用して稼働させざるを得ない状況だと北朝鮮の電力難について伝えた。平壌にほど近い南浦(ナムポ)市の内部情報筋はRFAに対して次のように話している。

「最近、停電が頻繁なので携帯電話の基地局もソーラーバッテリーを予備電源として使っている」

「南浦市の基地局では、100ワットのソーラーバッテリー30個で電源を確保している」

しかし、曇の日には充電が充分にできないため、平壌と一部大都市を除けば携帯電話が通じなくなることも頻繁に発生すると内部情報筋は伝える。

「もはや信じられるのは空の太陽だけ」

平安北道(ピョンアンブクト)新義州(シニジュ)市の内部情報筋はRFAに次のように伝える。

「新義州だけでも基地局が18ヶ所もあるのに、全国では数千以上あるだろう。全部にソーラーバッテリーを設置するのは大変だ」

彼は「もはや信じられるのは空の太陽だけ」と、太陽と讃えられる金日成氏、金正日氏、金正恩氏を遠回しに批判した。

北朝鮮において携帯電話基地局は労働党、保衛部、保安部などの権力機関や病院、郵便局などと同様に「特級負荷」と呼ばれ特別に24時間電力が供給されることになっているが、高圧電力系統の停電が頻繁に起こるため、特別扱いもあまり意味がないような状況だ。

この電力難は昨年春の少雨により水力発電所の発電量が落ちたことが原因なので、今後の降水量次第では電力難が続くおそれがある。新興富裕層も庶民も国からの電力供給を当てにせず、市場でソーラーパネルとバッテリーを購入して電力を「自力更生」している。

【参考記事】北の三種の神器 「ソーラー、バッテリー、液晶テレビ」