金正恩氏が正月休みに帰省する学生のため、飛行機を含む特別な交通手段を提供するよう指示したとボイス・オブ・アメリカ(VOA)韓国版が報じた。
VOAによると、この情報の提供者は咸鏡北道の道幹部。この情報提供者は先月29日、VOAに対して「最近は電力事情がとくにひどく、鉄道が機能していない。清津から平壌まで列車で行くのに半月から1カ月以上かかる」と説明。このため、12月25日から大学がいっせいに休みに入ったにもかかわらず、多くの帰省できずにいたという。
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VOAによれば、そうした実情について報告を受けた正恩氏が、各市・郡の責任秘書が責任を持って大学生の帰省を手助けするよう指示。とくに、平壌市内の大学に通う咸鏡北道と両江道出身の大学生のためには、「飛行機も動員せよ」と特命を下した。これを受け、大学生たちには実際に、片道の航空便が提供されたという。
VOAは、正恩氏がこうした指示を出した背景について、「大学生の歓心を買うためだろう。いまの大学生は(若年の)自分とともに仕事をせねばならない世代なので、特別に面倒をみているのではないか」とする米国在住の脱北エリートのコメントを紹介している。