「エボラを利用した新手の詐欺か」

北朝鮮は、世界的なエボラウイルスの拡散を懸念し、10月24日から外国人観光客の入国を禁止している。また、北朝鮮滞在中の中国商人に対して強制隔離措置を取った。しかしこの措置が大ひんしゅくを買う。

当局の都合で勝手に隔離して滞在費まで取ったことから「エボラを利用した新手の詐欺か」とまで言われた。

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隔離措置は外国(主に中国)から帰国した住民にもいるが、不満が高まっているとデイリーNKジャパン内部情報筋が24日、伝えてきた。

「帰国した住民は平安南道(ピョンアンナムド)の安州(アンジュ)市にある清川江(チョンチョンガン)ホテルに隔離されている。1泊15000ウォン(約210円)と安い方ではあるが21日も隔離されると負担がかさむ」

20泊で計算すると宿代の合計は30万ウォン(約4200円)。平壌の市場では12月15日現在、コメ1キロの値段が4500ウォン(約63円)なので、60キロ買ってもお釣りが来るほどの額になる。コメ60キロは4人家族の1ヶ月分の消費量だ。

これでは不満が出るのは当然だろう。さすがに当局も住民に配慮して外部からの食糧持ち込みは許可されることとなり、滞在費も1泊10000ウォン(約140円)に割り引くことになった。

一方、隔離された住民は少しでも節約しようと中国から食材、おやつ、カセットコンロ、鍋釜など一切合財持ってくる。

「金を払えばコメはもらえるので、チゲ(鍋料理)をおかずにごはんを食べる」

なかには、帰国の日から隔離が終わる日までの食材を日毎に分けておいて計画的な自炊生活をする猛者もいるという。

「韓国製と書かれたお菓子も没収」

北朝鮮当局は食材などの持ち込みは許可しているが、韓国製品の持ち込みだけには神経をとがらせているという。

「クックというブランドの韓国製炊飯器が税関でバレて大目玉を食らった」

「ハングルで韓国製と書かれたお菓子も税関で没収されてしまった」

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食事の配慮には納得したが、それでも滞在費は重い負担だ。

「1日10000ウォンにまけてもらえたが、それでも総額20万ウォン(約2800円)だ。まともな理由もないのになんでそんな大金を払わされるのか」

「中国で会った商人たちからはエボラのエの字も聞いていない。なんで私たちだけこんな目に遭うのか納得がいかない」

内部情報筋は強制隔離措置は、しばらく続くと見ている。

「すぐに解除されると思っていたのだが、まだ当分続くと予想する商人が多い」

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