ここでも金正恩一家に対する偶像化が登場する。金日成が考案したとされる「主体農法」と金正日の営農準備と関連した指示事項が宣伝される。労働新聞は農村支援関連の記事で「田植えは今年の農業を左右する重要な営農工程」という金正日の発言を紹介し、「偉大な将軍様は歴史のかの日、愛国忠誠の汗を捧げ5月の日々を有用に過ごす時、豊作の秋を迎えることができるとの真理を明らかにされた」と宣伝した。
このように5月になると北朝鮮は兵営国家から営農国家へと変貌する。工場・企業所の労働者は該当の職場ではない稲田に出勤しなければならない。中学生と大学生は学業が中断され、田植え戦闘に動員される。
農村動員期間になると各都、市、郡、里では、勤労意欲を高めるための「宣伝隊」が組織される。田植えが機械を使わず人手でほとんどの作業が進行される重労働であるため、住民は比較的楽な宣伝隊に入ろうと先を争う。