人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

「チョロい存在」とされているのは、孤児たちだけではない。

内部情報筋によると、強制的な軍入隊は黄海道(ファンヘド)でも広がっている。道内の市・郡の高級中学校では3月初旬、「最前線国境哨所嘆願式」が開かれたが、軍入隊者の95%が一般労働者や農民の息子だったとのことだ。

配属先は孤児たちと同じ第1、第2、第5軍団で、10年間は実家に戻れず、栄養失調で除隊させられる者が多いほど環境は劣悪だ。そんなところに黄海道出身者を送り込む理由について、情報筋は語る。

「中国との国境に接した地域の若者は、外国の情報に多く接していてスレているため、素直な黄海道出身者を最前線に送り込む」

(参考記事:「陸の孤島に追放」も…北朝鮮、テレビ検閲で死屍累々

中国との国境に接する地域には、商売で中国を行き来する人や、脱北して中国や韓国に住む家族を持つ人が多い上に、国境を超えて情報が入ってくる。一方で黄海道は、韓国に接してはいるものの、世界で最も重武装された地域と言われる軍事境界線で分断されているため、行き来はほぼ不可能だ。そのため、海外の情報に疎く、体制に都合のいい若者が多いと言われている。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

ただ、人の行き来は止められても電波は止められない。黄海道では、韓国のテレビ、ラジオを受信している人が少なからず存在するからだ。

「子どもを愛し、未来を愛する」指導者像を全面に押し出している金正恩総書記は、育児院、愛育院、そして中等学院を重視し、直接訪問したりもしているが、ホンネは、死ぬことを厭わない「チョロいガキども」の育成にあるのだろう。