党委員会は、当人が「ロシアの戦場でウクライナ軍と戦って戦死した」ということにはいっさい言及せず、ただ「党と首領のために名誉の戦死を遂げた」とのみ伝えたが、通常の事故死や病死なら補償はおろか、遺骨すら受け取れない場合もある。しかし、今回は特別な扱いをされたことから、遺族がロシアでの戦死に勘付き、それを周りの人々に話した。その話が、口コミネットワークに乗って広がった模様だ。

(参考記事:北朝鮮、ロシア戦死者遺族にタワマン贈与…親たちは「そんなもの要らない」

咸鏡南道(ハムギョンナムド)の情報筋は、旧正月(先月29日)の前の週に、新浦(シンポ)市内の人民班長(町内会長)が、ロシアに派兵された兵士について、憶測で物を言う者がいれば、自分や保衛部に通報せよと住民に伝達したと伝えた。

現地では、このような噂が広がり、市民は怒りに震えている。

「ロシアでの戦争でわが国(北朝鮮)の軍人が死んでいるのに、当局は遺体を回収する措置を取っていない」

これは決して根も葉もない噂ではないと情報筋は述べた。

「昨年末に続いて、朝鮮労働党咸鏡南道委員会が先月9日にも、暴風軍団所属の兵士の遺族に戦死証を授与したが、遺族は遺体がどこに葬られたかわからず、このような話が広がった」

朝鮮民族の死生観では、遺体を非常に大切にする。亡くなれば土葬で手厚く葬り、子孫の未来に影響を与えるとして、墓の場所も慎重に選ぶ。逆に、火葬は亡き家族を「二度殺すもの」だとして、激しい嫌悪感を抱き、家族の同意なしに行われる改葬にも、激しい怒りを持つ。