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北朝鮮の内閣鉄道省内の朝鮮労働党委員会は、各地域の鉄道総局および鉄道局に対して、鉄道員の違法行為には厳罰で対処するとの警告を下した。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

両江道(リャンガンド)の鉄道部門関係者によると、「鉄道従事者たちの不法行為を厳罰に処することについて」というタイトルの鉄道省党委員会の警告文が先月29日、恵山(ヘサン)駅や恵山機関車隊に下された。警告文の日付は先月25日となっている。

「今年の(人民経済<民生経済>発展の)12の重要達成目標(朝鮮語では重要高地占領)達成のための役割が通常より大切な時期だが、一部不健全な鉄道従事者たちにより、国家の物資輸送が遅延している」の一文から始まるこの警告文だが、具体的には以下の5つを厳罰の対象とする行為として挙げている。

  1. 国家に登録された鉄道財産、鉄道で輸送される国家財産に手を付ける行為
  2. 国家の重要輸送物資と関連した秘密を漏らす行為
  3. 機関士、車両検査員など鉄道指揮官のサボタージュ
  4. 鉄道従事者本人と家族の違法な商行為
  5. カネとワイロを受け取り、外部の人員の違法な出入りを幇助する行為

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の鉄道関係者は、警告文は金正恩総書記の強い意向により出されたものだと解説した。

この警告文のきっかけとなったのは、先月中旬、定州(チョンジュ)から、中国との国境に接する青水(チョンス)に向かう平北線の貨物列車が運行できず、亀城(クソン)で生産された輸出用軍事物資が適時に運べなかったことにあるという。

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水豊(スプン)ダム建設に必要な資材を運ぶために1939年に開通したこの路線だが、金日成主席の鉄道電化政策により全線が電化されている。貨物列車が運行できなかった理由について、情報筋は言及していないが、今までの事例を考えると、停電によるものだった可能性が考えられる。

ただ、价川(ケチョン)鉄道総局の複数の幹部が処罰を受けたとのことであり、職場からの人員の離脱などの現象があったのかもしれない。

(参考記事:丸一日動かなかった北朝鮮の列車、いきなり動いて人を轢く

鉄道従事者のうち、機関士に対しては軍の指揮官と同量の食糧配給が行われているが、それでも暮らしていけない。それ以外の鉄道従事者はさらに困窮していることは言うまでもない。

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そもそも、彼らが鉄道業に従事しているのは、鉄道が好きだからという理由ではなく、違法な商売に手を出したり、輸送される石炭を盗んで横流しすることで、なんとか暮らしていけるからだ。

金正恩氏の指示に逆らっては首が飛びかねない。当分の間、彼らはおとなしくしているだろうが、ほとぼりが冷めれば、様子を見ながら徐々に違法行為を再開するだろう。

鉄道従事者は山奥に配属されていることが多く、家族が市場で商売したとしても、あまり儲けはない。根本的な解決策は、彼らに行きていけるほどの給料と配給を渡すことしかない。

(参考記事:軍服の生地横流しで大儲けした北朝鮮軍の補給担当者と商人、摘発される