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韓国の首都・ソウルでは8日、1時間降水量381.5ミリを記録するゲリラ豪雨が降り、各地で浸水が相次いだ。死者・行方不明者は16人を数え、1万台を超える車が浸水するなど、甚大な被害が発生した。

ソウルほどではないものの、軍事境界線のすぐ南側にある各観測所でも、1日100ミリを超える大雨を観測した。また北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は、11日から16日まで、多いところで300ミリから400ミリの雨が降るとして、警戒を呼びかけた。

その一方で、先月には高温注意報が発令されるなど、猛暑が続き、一部地域では猛暑日を記録している。近年、日照りと大雨が繰り返し起こる異常気象に苦しめられている北朝鮮だが、今年の状況も深刻なようだ。

平安南道(平安南道)のデイリーNK内部情報筋によると、道の農村経営委員会が農作物の被害状況の公式調査を行った結果、大穀倉地帯「十二三千里平野」に含まれる平原(ピョンウォン)、文徳(ムンドク)、价川(ケチョン)など、協同農場の密集した地域で、異常気象による農作物の被害が深刻であることがわかった。

3月からの長雨、その後の猛暑、さらに6月末からの豪雨で、麦の不作が深刻であることはデイリーNKでも既報のとおりだが、それに加えてジャガイモも不作となり、収穫が放棄された畑には、雑草が生い茂り、腐ったジャガイモが転がっている有様だという。

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价川市内のある農場では、3200坪の畑で収穫したジャガイモが120キロにしかならなかった。豊作ならば、3000坪で10トンの収穫があげられるといわれていることを考えると、その深刻さがわかる。

(参考記事:北朝鮮で深刻な少雨、麦畑は全滅直前

問題はこれで終わりそうにない。今月と来月には大雨が予想されており、田んぼが浸水するなどして、稲の生育にも重大な影響が出ることが考えられる。

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北朝鮮農業が専門の韓国・グッドファーマーズのチョ・チュンヒ所長は「8月は、稲の花が咲き、実が実る時期なのに、大雨が降れば実らない」として、適切な対策が立てられなければ、稲の収穫量も大幅に減るだろうと予想した。

国営の朝鮮中央通信は、金徳訓(キム・ドックン)内閣総理が平原、粛川、文徳の農場の視察を行い、「農業生産を画期的に増やすべきだという党の政策を貫徹するためには、災害性異常気象の現象を既定事実化し、農作物を安全でありながらも早期に丈夫に育てられる先進営農方法を積極的に取り入れ、肥培管理と栄養管理を科学技術的に行うべきであると言及した」と報じた。

北朝鮮当局も、異常気象による農作物への被害が深刻であることを認めたということだ。ただ、問題は異常気象だけにとどまらない。制裁、コロナ鎖国による様々な物資や働き手の不足など、解決すべき問題は山積している。

(参考記事:金正恩氏が重視する麦、収穫遅延の理由は「鎌」の不足