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北朝鮮から脱出し、韓国に入国した脱北者の数は、今年3月末の時点で累計3万3826人(統一省調べ)となった。北朝鮮についてよく知り、中には残してきた家族と連絡を取り合う人もいるが、多くが母国のコロナ禍と食糧難、恒常的な医療崩壊に心を痛めつつ日々を送っている。

今回、デイリーNKは、韓国に暮らす3人の脱北者とインタビューを行い、北朝鮮国内の状況について聞いた。

ー2018年に韓国にやってきた30代のAさん

Aさんは、北朝鮮のコロナの状況について送金ブローカーを通じて聞いた。「故郷でコロナが広がっているという話を聞いて、最初に思ったのは、一人暮らしの父親に何か良くないことが起きていないだろうかということ」と話す。

ブローカーに送金を依頼しようとすると、「今はできない、できるようになったら連絡する」との答えが返ってきたという。家族が餓死、またはコロナにかかって死んでいるかもしれないのに、手をこまねいているしかない心情について「言葉で言い表せない」と語った。

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北朝鮮では、中国の携帯電話を使う送金ブローカーに対する締め付けが強化されており、今は送金が困難な状況だが、幸いにして先月末、「今なら送金できる」との連絡を受け取ったAさん。200万ウォン(約20万8500円)を送ったが、状況が非常にリスキーなだけあって、手数料はなんと6割に達した。それでも、送金を請け負ってくれたことに感謝しているという。

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「送金だけでもできて、少し胸を撫で下ろしたが、父の体調が悪く起き上がることもできないと伝え聞き、胸が張り裂けそうだ。一日も早く回復することを望むばかりだ」(Aさん)

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ー2017年に韓国にやってきた20代のBさん

中国との国境から離れた地域出身のBさん。ロックダウンの話を聞いて「餓死する人が多く出そうだ」と思った。

「内陸の地方は国境に接する地域とは異なり、ロックダウンをすれば餓死者が多く出る。さらに今は『ポリッコゲ』(麦の峠、春窮期)だ。本当に苦しい時期で『死の峠』と呼ばれる。食べ物が底をつき、草を摘んで食べて一日一日を乗り越えるが、食べられる草ですら減りつつある」(Bさん)

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そんな状況でのロックダウンについて「面と向かって死ねと言っているようなもの」と語ったBさん。北朝鮮の状況がよくわかっているだけあり、心配が募るばかりだが、送金が困難であるため助けの手を差し伸べることもできず、悔しい思いをしているという。

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ー2016年に韓国にやってきた30代のCさん

かつて北朝鮮が誇った無償医療制度は、有名無実化して久しい。「特に地方ではひどい状況になっており、病院には設備も医薬品も揃っておらず、医師も能力不足で、誤診が後をたたない」と語るCさん。結局、病院ではなく、市場で薬を買って飲むしかないという。

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Cさんはまた、農民が収穫の分配を適切に受けられないことも問題だと語った。

「穀物を売ってこそ薬を買うことができる。病気になっても薬を買えず、ただ苦しみに耐えている人が多く、都会と比べると死亡率は高いだろう」(Cさん)

農村で生まれ育ったCさんは、北朝鮮に残してきた家族が、農業を続けるしかなく、貧困から抜け出せずにいるのが気がかりだ。しかし本人も送金できる状況にないために、家族がコロナにかからず健康に暮らしていることを祈ることしかできないという。

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