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北朝鮮が、平壌市内の松新(ソンシン)・松花(ソンファ)地区の1万世帯住宅の建設が期日までに終わっていないのに、新たに始めた和盛(ファソン)地区1万世帯住宅建設。その建設現場には、多くの平壌市民が動員されている。それも、仕事が終わった後の夜間の労働を強いられていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

平壌の企業所幹部は、当局が最近、市内の各職場の労働者と家頭女性(専業主婦)に対して、和盛地区1万世帯住宅の建設を助ける「夜間突撃隊」に積極的に参加するように奨励していると伝えた。

今月初めから、朝礼や学習会、講演会など労働者が集まるたびに、支配人と企業内の朝鮮労働党初級書記が、建設に参加するように訴えている。青年同盟(社会主義愛国青年同盟)も「平壌市5万世帯住宅建設を助けることは、青年の義務であり、党や首領に対する忠誠心の現れ」だとして、夜間突撃隊への志願を強いている。

この夜間突撃隊とは、1980年代に、その日の日課を終えた人々が蒼光(チャングァン)通りと光復(クァンボク)通りの住宅建設の現場に向かい、建設を支援したことが由来だ。正式な名称は「忠誠の夜間支援突撃隊」だが、人々は「夜間突撃隊」と呼んでいる。

当初、労働党への入党や幹部登用など政治的な思惑を持ち、上層部の覚えを良くするために多くの人が自ら志願して参加した。しかし、今は党の社会的地位が当時ほどではなく、志願する人は多くない。カネも稼げない党員より、非党員の金持ちが羨まれる世の中に変わってしまったのだ。

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この幹部は、1年以内に完成させるという金正恩総書記の指示を実行にするには、装備、機械、労働力が不足しているとも指摘した。

夜間突撃隊は、午後8時に出席チェックを行った後、午前0時までブロック、レンガ、砂、砂利、セメントなどを背負って運んだり、周囲に木を植えたり、土地をならしたりするなど、様々な雑用を行う。現場は、工事に携わっている兵士、首都建設突撃隊員に混じって、夜間突撃隊の労働者、女性、学生が働き、人だらけとのことだ。

市内の普通江(ポトンガン)区域の情報筋によると、今月初めに区域の女盟(朝鮮社会主義女性同盟)の指示で、洞(町)ごとに家頭女性からなる夜間突撃隊が立ち上げられ、決められた日に交代で現場に向かう。ただ、建設資材が届かずに、何もせずに0時まで時間つぶしをしていたこともあるとのことだ。

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市内の地下鉄、バスは午後10時30分に運行を終えるため、作業終了後には、10キロ以上の道のりを歩いて帰宅しなければならない。男性の場合は自転車で行き来するが、女性は自転車に乗れないとのことだ。かつてあった女性の自転車禁止令が復活したのか、別の理由があるのかは定かでない。

(参考記事:北朝鮮の女性が勝ち取った「自転車に乗る権利」

情報筋はこのような人海戦術には批判的だ。

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「今のような時代に、未だに初歩的な建設設備がなくて人々を動員する人海戦術で建設をしなければならないのか」

情報筋は、大規模住宅団地を1年で完成させるという「速度戦」のせいで、住宅が完成するまで人々は痛めつけられると嘆いた。

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