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北朝鮮がここ数年来、国内で大々的に繰り広げている反社会主義・非社会主義行為の取り締まり。そのメインターゲットとされているのは韓流コンテンツの視聴・流通と、中国キャリアの携帯電話の使用だが、それだけではない。

北朝鮮では、有害な成分が含まれたニセ薬、ニセ食品が度々市中に出回っており、それも反社会主義・非社会主義行為の一つとして取り締まりの対象となっている。だが、その解決方法はあまり効果的なものとは言えない。詳細を米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

両江道(リャンガンド)の幹部によると、19日の土曜日に「反社会主義、非社会主義との闘争と強く繰り広げることについて」という内容の幹部対象の講演会が行われた。その場では「闘争は今までになく深まっているにもかかわらず、社会的危険の大きい犯罪がはびこっている」「犯罪行為を叩き潰すための闘争をより強く繰り広げよう」ということが語られた。

講演では、地域名を伏せた上で実際に起きた事例が紹介された。その一つは、ある都市の社会給養管理所が営む食料品店が販売した、「フルーツの香りがするサイダー」を飲んだ複数の人が病院送りになったという事例だ。

サイダーには人体に害のある物質が含まれていたが、トンジュ(金主、新興富裕層)が数年前から、ある機関の建物の一部を利用して、国の承認を受けずに違法な生産施設を備えて生産・密売していたことが、調査の結果明らかになった。

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その後、市内の食料品店、市場に対する調査も行われたが、販売されていた食品のほとんどが安全基準を満たさず、極めて不衛生な製品であり、人民委員会(市役所)や衛生防疫所などの黙認の下で行われていたとのことだ。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の幹部も、現地で同様の講演会が開かれたと伝えた。その場では、市中に流通する薬品のほとんどが、個人が製造してラベルを貼っただけのニセ薬だとの調査結果が明らかにされた。

ある郡の市場で北朝鮮製のペニシリンを買って注射した患者が死亡する事件が起き、安全部(警察署)と検察所が合同で市中の薬品流通実態について調査したところ、売られている薬品のほとんどが、有効成分の入っていないニセ薬であることが判明したとのことだ。

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この幹部は「昨年2月の朝鮮労働党第8期第2回総会の後から、全国的に反社会主義・非社会主義行為に対する一大思想戦が繰り広げられたが、あまり意味がなかった」と評し、「会議のたびに、われわれの思想と制度を脅かす犯罪行為を掃討しなければ、反社会主義、非社会主義的行為を行う者どもが党と国家に歯向かうだろう、もっと強力に掃討戦を繰り広げろということが繰り返されるばかりだ」とも伝えた。

北朝鮮では、生産停止に追い込まれた国営の工場が、維持費や人件費などを稼ぐために、トンジュや個人業者に建物の一部や設備を貸し出す見返りに手数料を得て、あたかも工場が正常に稼働しているかのように装う手法が横行してきた。もっとも、彼らの経済活動のおかげで、市場に商品が供給されている面もある。

問題はその一部がインチキな商売をしていることにあり、経済活動そのものではないはずだが、商売をしていることが諸悪の根源だというのが当局の認識のようだ。講演会では、トンジュによる従業員の雇用を「労働力の搾取」と称して、国営の工場がそれを助長したと批判した。

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当局は、「反社会主義・非社会主義行為は極端なエゴイズムに端を発するもので、経済状況がよくなったとしても消えてなくなるものではない」と特に強調しているとのことだ。

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また、様々な違法行為が根絶できない理由については、幹部が反社会主義・非社会主義の深刻さを認識できていないこと、根本的な経済問題が解決しなければこれらはなくならないと黙認すること、ワイロを受け取って見逃すことなどが挙げられたという。

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