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2019年、北朝鮮の開城(ケソン)にある、開城松岳食料工場の「松岳(ソンアク)焼酎」のラベルを貼った密造酒が大量に出回り、亡くなったり失明したりする人が続出した。出回ったのは、国営の印刷工場が印刷したニセのラベルを使ったものだった。

この事件には金正恩総書記も激怒し、密造酒の売買に関わった数人が公開処刑されたとの情報がある。

(参考記事:最愛の側近の息子も犠牲か…金正恩氏「ニセ焼酎」で公開処刑

このように、北朝鮮ではニセモノがしばしば出回っているが、今回問題になったのはニセモノのタバコだ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

平壌の情報筋は、平壌に隣接する平安南道(ピョンアンナムド)大同(テドン)郡のトンジュ(金主、新興富裕層)の自宅に対して家宅捜索が行われたと伝えた。

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最近、北朝鮮の国営工場製のラベルを付けた偽タバコが市中に流通しており、当局はニセモノの製造、販売を反国家的・反社会主義的行為とみなし、業者に対する捜査、取り締まりを行っていた。

先週行われた家宅捜索では、市場に卸す直前だった段ボール箱入りの偽タバコ、生産設備、タバコの葉が大量に押収された。ただ、偽タバコを製造していたトンジュを逮捕せず、今後も偽タバコを生産すれば、反国家的行為者として逮捕すると警告するにとどまった。

逮捕しなかった理由はわからないが、トンジュが捜査官を買収したことも考えられる。

(参考記事:数百円で量刑を3分の1にできる北朝鮮の司法制度

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このようなニセモノが大量に出回り始めたのは、1990年代後半の大飢饉「苦難の行軍」のころだ。食い詰めた人々が、勤め先の工場などから設備、商品を盗み出し、売り払って食糧を確保する行為が横行したが、同様の事態は国営のタバコ工場でも起きた。

情報筋の説明では、工場周辺の住民が偽タバコを作って販売していたという。技術を持った従業員と地域住民がコラボして、偽タバコ製造販売を行っていたのだ。

2012年に韓国にやってきた平壌出身の脱北者は、1990年代後半から偽タバコを作る人が急増したが、これは平壌市内に複数のタバコ工場があり、製造がしやすかったためだと説明した。

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2010年代に入ってからは、従来の国営工場に加えて、複数の貿易会社がタバコ製造に進出し、偽タバコの製造が取り締まられるようになったが、工場は市外に移転して製造を続けていたとのことだ。

ちなみに北朝鮮にはタバコのブランドが200以上あり、価格も千差万別だ。禁煙キャンペーンは行われているものの、金正恩総書記はじめ喫煙者は非常に多く、タバコは確実に売れる商品だ。

(参考記事:違反したら命を奪う…金正恩式「禁煙法」の凄まじい本末転倒

偽タバコに使うタバコの葉は、周辺のタバコ農場から買い付けている。平安南道の成川(ソンチョン)郡の情報筋は、タバコの葉を生産している国営農場では、香り高く色のよいタバコの葉がトンジュによく売れると伝えた。

平壌に隣接する平城(ピョンソン)市に偽タバコ工場が多数存在するが、タバコの葉はこの成川の農場から、パッケージは平壌の朝鮮龍峰(リョンボン)タバコ工場の幹部による横流しで調達する。

当局は取り締まりを強化しており、平城では先週、黎明、金剛山など高く売れる国産タバコのニセモノを製造していたトンジュが摘発され、設備や資材が押収されたと、情報筋は伝えた。

いずれも情報筋も、偽タバコの品質などについて触れていないが、業者が乱立し競争が働きやすいことから、本物以上の質であることも考えられる。

(参考記事:北朝鮮製ニセモノ化粧品、高品質過ぎてバカ売れ

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