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新年3日から始まった北朝鮮の「堆肥戦闘」。化学肥料の代用にするため、国民が総出で人糞を大量に集めるというものだが、そのノルマがあまりにも多く、北朝鮮の人々の肩に重く、且つ臭くのしかかっている。

ノルマの人糞を協同農場に納めると、それを証明する「堆肥確認証」が発行されるのだが、今後はこれが生活に欠かせないものとなるようだ。

(参考記事:北朝鮮で恒例の人糞集め本格化、ノルマは1人500キロ

両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋によると、堆肥戦闘が行われている現在、市場の営業時間は午後3時から5時までの2時間で、通常より1時間短くなっている。営業時間を長くすると堆肥戦闘に差し障りがあるとの理由からだ。

これが11日から元の3時間に戻されるのだが、市場への入場に際して、堆肥課題(ノルマ)を達成したことを示さなければ入場を認めないとの布置(布告)が下された。「ワクチンパス」ならぬ「堆肥パス」とも言うべき、「堆肥確認証」の提示が求められるというのだ。

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昨年末に開かれた朝鮮労働党中央委員会第8期第4回総会で、農業問題が再優先課題として示されただけあって、堆肥生産に総力を挙げて行うことにしたようで、これが影響しているものと思われる。コロナ鎖国下で、食糧事情が逼迫していることの反映だろう。

(参考記事:「農民の古い思想を根絶」金正恩氏、党総会で農村3大革命を提唱

堆肥戦闘は住民生活に多大な影響を与えている。デイリーNK取材班が接触した恵山(ヘサン)の住民は「堆肥課題を遂行するために市場での商売があまりできずにいるが、11日からは売台(ワゴン)に座っていられないと考えると頭に来る」と語った。つまり、この人はノルマを達成できておらず、市場に入れないということだ。

市場で豆もやしを売って生計を立てているキムさんは、堆肥戦闘に追われ、年が明けてから一銭の現金を得られずにおり、豆もやしのスープで空腹を満たしているとのことだ。

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今回の布告に反発した一部住民は、市場内ではなく市場周辺や路地で露店を開くイナゴ商人となって商売をし、取り締まり班との物理的衝突も辞さない姿勢を示しているという。

「市場は住民の生存を左右する空間だ。市場の統制に対して住民から『死ねというのか生きろというのかわからない』との声が上がっている」(情報筋)

(参考記事:北朝鮮軍「戦車兵養成所」が戦闘開始、ターゲットは人糞