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北朝鮮の新年恒例の「堆肥戦闘」――不足する化学肥料を補うために、国民個々人に課されたノルマに従って人糞を協同農場に納めるというものだが、その目的は必ずしも人糞だけにあるわけではない。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、新年の堆肥戦闘は今月3日から始まり、10日までに終了させることとなっている。昨年と比べて期限が1日延長された。

ノルマの量は労働者1人あたり500キロ、人民班(町内会)1世帯あたり200キロと昨年とほぼ同水準で、以前よりは減っているものの、依然として膨大であることには変わりない。

当局は「(ノルマ達成が)劣っている単位(職場など)は総和(調査)を行う」と半ば脅迫する形で、人糞集め競争を煽っている。

(参考記事:北朝鮮軍「戦車兵養成所」が戦闘開始、ターゲットは人糞

人糞500キロはとてつもない量だが、納められない場合には、1キロあたり1000北朝鮮ウォン(約24円)、もし全量現金で支払うとするならば50万北朝鮮ウォン(約1万2000円)という高額なペナルティを課される。農業振興のための人糞集めが、カネ儲けの手段に転落しているのだ。

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おそらく現地では、例年のように人糞泥棒、人糞の売買、人糞を納めたことを示す「堆肥確認証」の捏造など、てんやわんやの大騒ぎとなっていることだろう。

(参考記事:過酷な「人糞集め」に苦しむ北朝鮮国民を襲うもうひとつの災い

これに対して、住民からは不平不満の声が上がっている。情報筋は「元帥様(金正恩総書記)は税金外の負担をなくせと言ったのに、もう一つの元帥様の指示(農村振興)で(税金外の負担が)復活するのではないか」として、こんな悪循環は早くなくすべきだと主張した。

いずれにせよ、集められた人糞は、藁などと混ぜて発酵させ畑に撒くことになるが、人糞を使ったより効果的な有機肥料の研究も進められている。その過程では、多くの人が死傷する大事故も発生している。

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