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2000年代初頭、金正日総書記の一言から始まった北朝鮮での二毛作。だが、初夏に麦を収穫した後で、稲を植えるその農法は、冬の到来が早い北朝鮮では現実的ではない。結局、トウモロコシを植えて、同じ畑に時間差でジャガイモや麦を植えるという「混作」が行われている。

農業生産の増大を狙ってのものだが、土壌を酷使するこのやり方はうまくいかなかったようで、国営メディアもいつしかあまり取り上げなくなっていた。

ところが、金正恩総書記が2017年の新年の辞で取り上げたことをきっかけに、注目を浴びるようになったようだ。

(参考記事:金正恩氏による2017年の「新年の辞」全文

当局は最近、農業関連のイルクン(幹部)に向けて二毛作に関連する課題を示したと、平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

朝鮮労働党平安南道委員会(道党)は12月15日、共同農場や社会主義女性同盟、企業のイルクンらを集めて、二毛作の栽培管理に関する会議を行った。ここで示されたのは先に麦を植えて、後で稲を植える方式についてだ。

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そのためには土壌の改善が最も重要だとして、工場や企業所などに対して、年末までに担当区域を決めて、堆肥生産計画を個人、機関別に総和(総括)し、党の農業重視思想に応えなければならないとの指摘がなされた。

北朝鮮の新年の恒例行事となっている、人糞集めと堆肥づくりのノルマが課されたということだが、具体的な数字には触れられていない。

(参考記事:一人あたり500キロの人糞集めから始まる北朝鮮の新年

この人糞集めと関連して、今まで横行していた不正行為を打破することも呼びかけられた。集めた人糞は協同農場に納め、「堆肥確認証」を受け取るという形になっているが、農場がワイロを受け取って虚偽の確認証を発行したり、その間を取り持ち便宜を図るブローカーが横行したりするなどして、書類上ではノルマが達成できているが、実際には不足するという状況に陥っていた。

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今後は道党と人民委員会(市役所)、農場の経営委員会が人糞の質と量を正確に測って確認証を発行する形に変えられる。つまり、クロスチェックを行って不正が起きないようにするということだろう。

道党は「かつてのように自分の力を使わずに、適当にやり過ごせた時代は過ぎた」と、もはや不正は許されないとの警告を発している。

(参考記事:冬の北朝鮮で暗躍する「人糞ブローカー」登場

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一方、麦が寒さにやられることを防止するために、管理を徹底することを指示し、協同農場だけではなく、「道全体が自分の畑のように考えて力を入れるよう」に要求した。

冬の作物管理だけではなく、春は田植えと麦刈り、秋は稲刈りと麦の種まきの時期がかぶってしまうことから、農場の労働力だけでは手に負えず、道内の機関すべてが関心を持ち、労働力を積極的に提供せよということなのだろう。

今回の会議では、2021年の作況状況と軍糧米(軍に納めるコメ)の計画(ノルマ)執行状況を総和し、最も点数の低かった順川(スンチョン)市、价川(ケチョン)市の協同農場管理委員長と、里(リ、末端の行政単位)の党書記の解任も通知されたとのことだ。