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北朝鮮では、個人は土地や不動産を所有できないことになっている。ただし、使用許可権(入舎証)を得ることは可能で、これを売買する形で不動産市場が形成されていた。

しかし昨年7月、政府は国家所有の住宅を個人が勝手に売買する現象をなくすよう指示を下した。デイリーNK取材班が最近入手した、2020年に改正された法律にも、不動産取引を禁じる条文が盛り込まれている。

(参考記事:北朝鮮、不動産売買を取り締まる方針

昨年の改正で、行政処罰法に不動産非法(違法)処分行為(85条)が追加されたことが確認された。条文には「不動産を非法的に処分した者には警告、厳重警告処罰、または3ヶ月以下の無報酬労働処罰、労働教養処罰を与える。罪状の重い場合には3ヶ月以上の無報酬労働処罰、労働教養処罰、または降職(降格)、解任、撤職(更迭)の処罰を与える」と明示されている。

この「罪状の重い場合」は、10万北朝鮮ウォン(約2200円)以上の利益を不動産売買で得た場合を指し、労働処罰と労働教養処罰は、拘禁施設での強制労働を指す。つまり、懲役刑だ。

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また同法は、違法行為として、施設・土地・森林・養殖場などの売買や共同所有などを挙げ、有償、無償を問わず、無許可で機関や個人で使用権を移転させる行為はすべて違法に当たると、例を挙げて説明している。個人が山に入って切り開いた畑や、個人が自宅に建てた倉庫の使用権の移転、鉱物資源の開発、採取も禁じている。

さらに、「不動産を非法的に譲渡し、機関、企業所、団体の名義で受け取った金品は国家財産とみなす」とし、不動産売買に伴う利益を没収するとしている。この条文には個人が抜けているが、元々私有財産を認めていないからか、没収の対象外とするからかは不明だ。

従来から存在する不動産管理法は30条で「不動産は該当機関の承認なしに他の機関、企業所、団体と公民(国民)に譲渡したり、貸したりできない」と売買のみならず賃貸を禁じている。また、住宅法も43条で、国家所有の住宅の売買、賃貸、そのブローカー行為、無許可の増改築を禁じ、違反者に対しては、62条で行政処分を、63条で刑事処分を明記している。

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いずれの場合も具体的な量刑に関する記述はないが、今回の行政処罰法の改正で量刑を定めた形となる。これは、不動産取引を積極的に管理、取り締まろうとする当局の意志が反映されたものと思われる。

コロナ鎖国による経済難、食糧難に苦しむ北朝鮮国民の中には、家を売り払い、なけなしのカネを得て食いつなぐ者や、借金のカタに家を取られる者など、様々な事情で家を失う者が少なくない。現在も家の売買が横行していることから、法執行が徹底していない状況がうかがい知れる。

(参考記事:「国家存亡に関わる」金正恩が招いた”絶糧状態”という本物の危機

そもそも、不動産の売買を禁じてしまえば、今後の住宅建設に支障が出かねない。というのも、北朝鮮当局は住宅を建設するに当たって、資材購入などの資金をトンジュ(金主、新興富裕層)からの投資に頼っている。そうして住宅建設を行い、投資の見返りに部屋を分譲。トンジュはそれを販売することで利益を得るという仕組みが出来上がっているのだ。住宅の売買ができないとなると、当局は資金源を失ってしまう。

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当局は徴税を強化する施策を取っているが、トンジュの投資額は、庶民の払う税金だけで穴埋めできるほどの額ではないだろう。

(参考記事:人々を餓死から救った「山奥の畑」からも税金を取り立てる北朝鮮

政府は昨年7月に出した指示文で、不動産の売買を「国家が建てて人民に供給した住宅を、私利私欲のために売買するのは破廉恥な行為で、社会主義を抹殺する行為」としているが、実際は「国が建ててやった」と威張れる状況ではないのだ。

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