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1990年代後半、北朝鮮を襲った大飢饉「苦難の行軍」では数十万人とも言われる餓死者が出た。人々はその苦境を、山を切り開いて畑を耕し、作物を栽培して食べ物を確保することで、なんとか生き抜いた。

食糧事情が落ち着くにつれ、人々はこれら畑で取れた作物のうち、余ったものを市場で売って現金収入を得た。これがなし崩し的な市場経済化の基礎のひとつとなり、今では都市部への野菜供給には欠かせない仕組みにもなっている。

(参考記事:「街は生気を失い、人々はゾンビのように徘徊した」…北朝鮮「大量餓死」の記憶

当局はこれまで、このような畑に対して半ば黙認する姿勢を取ってきたが、最近になって管理体制の強化に乗り出している。

デイリーNKの内部情報筋は、「国家経済発展5カ年計画期間の山林復旧戦闘を持続的に推し進めるための課業について」というタイトルの指示文が今月5日、内閣から各道、市、郡の人民委員会(県庁、市役所に相当)に下されたと伝えた。

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「山林復旧戦闘」とは、1970年代以降に進められた「全国土段々畑化計画」や、前述の個人耕作地の増加により山が保水力を失い、自然災害が多発するようになった状況を改善するために進められている、大々的な緑化事業だ。

指示文によると、個人や工場、企業所、機関など、どのような単位が主体であるかを問わず、既に造成した畑や、これから造成する畑はすべて国家機関や関連団体に登録しなければならない。国は、これら畑に対する体系的な管理監督と統制を行う――言い換えると税金の取りはぐれを防ぐと同時に、一般国民がこれら畑で取れた作物で自力更生(自給自足)することを両立させる、ことが目的だ。

金正日時代から、これら畑で取れた作物のうち7割は耕作者が確保し、3割を市や郡の糧政事業所に事実上の税金として納める「37制」が行われてきたが、今回の指示以降は、登録した国家機関や団体に納めることになる。

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また、今後新たに畑を造成する場合には、国家機関や団体に申請を出し、山林監督員の現場でのチェックを受けた上で、許可を受ける形となる。きちんと登録させて、税金を納めさせるという動きは商業分野で表れているが、農業分野でも徹底させるということなのだろう。

(参考記事:「女性イナゴ商人」踏みにじる金正恩体制に北朝鮮国民が反発

今回の指示のもう一つの目的は、上述の山林復旧戦闘の貫徹だ。許可を受けて造成した畑に植える作物は、個人が勝手に決めてはならず、山林監督局の指示に従い、土壌の特性に合った木の苗を植えなければならない。

「国が市場を統制、管理しているように、山林も直接統制、管理しようというものだ。管理監督や統制は国が、執行(畑の造成や植林)は個人が行う『協同化体系』を、今回の(国家経済発展)5カ年計画の期間中に固めようという意図があるのだろう」(情報筋)

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さらには、毎年3月2日の植樹節(みどりの日)にこれら畑に植えた苗木が育っている割合を山林監督員に把握させ、登録した国家機関、団体に報告させる体系の確立も指示している。

従来、苗木は4メートル間隔で植えることになっており、その分だけ作物を植える土地を減らされる住民の抵抗に遭ってきたが、これを苗木の種類に応じて8メートルから10メートル間隔に緩和することで、作物の栽培にも配慮した形となっている。

今までは、植林のために畑を奪い取ったり、先祖の墓を掘り起こしたりするなど、強引な手法が反発を招き、逆に植林が進まないというジレンマに陥っていた。そのため柔軟な対応で住民の反発を抑え、生活を安定させると同時に、税収も確保しようとする計画なのだろう。

そのとおりに進んでウィンウィンの関係が築けるのか、「二兎を追う者は一兎をも得ず」という結果になるのか、今後の成り行きが注目される。

(参考記事:「庶民の農地」奪う北朝鮮当局に強い不満

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