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北朝鮮当局は、全世界的な新型コロナウイルスの感染が拡大してから1年半以上経った今に至っても、国内における感染者の発生を公式には認めていない。

英・オックスフォード大学が運営するOur World in Data(データで見る私たちの世界)によると、新規のコロナ感染者がいないとしているのは(一定規模以下の小国を除いては)政府が昨年5月以降に新規感染者の発表を取りやめたアフリカのタンザニアくらいだ。同国も、それ以前に発表された感染者509人は計上されている。コロナ感染者が1人もいないとする北朝鮮の強弁を信じる者は、ほとんどいないだろう。北朝鮮国内からは、新型コロナウイルスに感染した疑いのある患者の発生が続々と伝えられている。

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米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、平安北道(ピョンアンブクト)の幹部の話として、最近になって全国的に、コロナ感染が疑われる患者が同時多発的に発生していると報じた。

この幹部は、4月末の時点で、平安北道で把握できただけでも感染が疑われる患者が2400人に達し、死者も50人発生しているが、検査が行われないため正確な死因がわからないまま亡くなる人も多いと述べた。

北朝鮮では、衛生環境が悪く様々な感染症の流行がしばしば起きているが、検査体制はおろか医療体制も整っていないため、本当にコロナなのか、診断する術がないのだ。

(参考記事:全世界はコロナで苦しみ、北朝鮮はチフスで苦しむ

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この幹部は、平安南道(ピョンナンナムド)では6589人の疑い患者が発生し、34人が死亡、人口が20万人に過ぎない北東部の羅先(ラソン)市では、6355人の疑い患者が発生、20人が死亡したと証言した。

この数字は、呼吸器疾患や肺炎の症状がある疑い患者として地域の防疫当局が中央に報告したものだと、貿易関係者から聞いたと幹部は述べている。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の幹部は、4月末の時点の数字として、富寧(プリョン)郡で疑い患者100人、死者はゼロ、茂山(ムサン)郡で疑い患者1200人、死者3人、会寧(フェリョン)市で疑い患者2000人、死者は20人、慶興(キョンフン)郡では疑い患者400人、死者20人と証言した。道内の残りの11の市、郡では疑い患者、死者は発生していないとのことだ。強力な移動規制が功を奏しているものと思われる。

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一方で江原道(カンウォンド)の幹部は、4月末の時点で、道内で2000人の疑い患者、数名の死者が発生したと述べた。感染者の出た家は、完全隔離されて自宅からの外出を禁じられ、食べて行けなくなるため、コロナを疑わせる症状が出ても、報告しない人が多く、そのせいで疑い患者が増えていると伝えた。

(参考記事:「このままでは全住民が死ぬ」北朝鮮都市 ”コロナ対策” が崩壊

国家非常防疫本部は緊急会議を開き、各地域の非常防疫指揮部に、住民に対して非常防疫規則を徹底して守らせ、消毒作業を行うように指示を下した。また、疑い患者発生地域の住民に対して、他地域への移動を禁止した。さらに、コロナ規則に反する行動や噂話を広げることを体制を脅かす反逆行為と見なし、最高で10年以上の労働教化刑(懲役刑)に処すと警告している。

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前述の平安北道の幹部は、「コロナに関する些細な発言でも、政治的なものとして扱い、強く取り締まっている。疑い患者が発生した病院でも検査を行わず、無条件で急性肺炎との診断を下して隔離している。死亡した場合には、死因を急性呼吸器疾患として遺体を火葬してしまう」と述べ、国ぐるみでコロナ隠しが行われている実態を語った。