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北朝鮮最大の貿易都市・新義州(シニジュ)から北東に10キロ離れたところにある、義州(ウィジュ)飛行場で現在、大規模な工事が行われている。

北朝鮮は昨年1月から、新型コロナウイルスの国内流入を防ぐために国境を封鎖し、貿易を停止する措置を取っているが、コロナ鎖国の解除に向けた施設のようだ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が詳細を報じた。

新義州の住民によると、工事は中央防疫指揮部が主導の下、今年2月から義州飛行場で進められている。出入国者と貨物に対してコロナ検疫を行う施設で、完成は間近だという。

工事に必要な資材のうち、セメントは郡党(朝鮮労働党義州郡委員会)の組織部が、鉄筋、鋼材などは市党(党新義州市委員会)が提供し、実際に建設工事にあたっているのは朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の兵士と動員された地元住民だ。

施設の内部には、出入国者に対してコロナ検査を行う機器、貨物を洗浄、消毒する機器が設置されるとのことだ。

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WHO平壌所長のエドウィン・サルバドール氏はRFAの取材に、PCR検査装置が中国・丹東の北朝鮮領事館に、医療用酸素濃縮器、酸素飽和度測定器、人工呼吸器がドバイの倉庫に留め置かれていると述べているが、この施設で利用される可能性も考えられる。ただ、地元の情報筋は今のところ、これら設備が輸入された証拠は見つかっていないと述べている。

別の現地情報筋によると、この飛行場は2015年まで軍用として使われていたが、その翌年から観光客誘致のために民間飛行場に転換された。それに伴って出入国施設が建設され、平壌行きの航空路も開設された。

中国からの観光客は、主に丹東から列車を利用して北朝鮮に入国していたが、観光客数の急増に追いつかず、軍用のディーゼル機関車まで利用して列車を運行する状況となっていた。

(参考記事:急増する中国人観光客を「軍用装備」で輸送する北朝鮮

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義州飛行場への検疫施設の建設は、単に物資の輸出入再開にとどまらず、コロナ後の外国人観光客の受け入れ再開に向けた動きと思われる。

国際社会の制裁に苦しめられている北朝鮮にとって、制裁に抵触しない観光業は格好の外貨稼ぎとなっていた。コロナ鎖国により受け入れは中断したが、「極度の外貨不足を解決するために近々海外からの観光客を再び受け入れると予想される」という情報筋の見方は、極めて自然なものだろう。

(参考記事:北朝鮮旅行は今後どうなる…実は近くて普通に行けるおすすめ北朝鮮ツアー・北朝鮮旅行

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北朝鮮駐在のロシアのマツェゴラ大使は今年2月、インターファクス通信とのインタビューで、北朝鮮が消毒施設を建設し、間もなく輸入が限定的ながら再開されるだろうと述べているが、ロシアと国境を接する羅先(ラソン)にも消毒施設が建設されているようだ。

また、北朝鮮と中国を結ぶ新鴨緑江大橋が開通準備が進み、今年後半に開通する可能性があると、共同通信が報じている。物と人の行き来の再開に向けた動きが進みつつある。

(参考記事:北朝鮮の輸入品消毒施設が完成間近、貿易を一部再開か