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北朝鮮の企業「ハナ電子合営会社」――2003年に北朝鮮政府とヨーロッパ系の投資企業「フェニックス・コマーシャル・ベンチャーズ(FCV)」との合弁で設立され、アリランブランドのDVDプレイヤー、カラオケ機などを生産、販売してきた。

ところが、FCVは2015年9月に突然「相手との妥協できない意見の差」により合弁を解消し、翌年解散した。同社は、北朝鮮がらみのマネーロンダリングに関与した疑惑が浮上していた。

(参考記事:北朝鮮「マネロン関与」疑惑の欧州投資会社が解散

一方で、ハナ社は営業を継続し、全国にハナ電子商店の支店網を展開。電化製品を正式に輸入する許可(ワック)を独占し、中国から取り寄せた電化製品、付属品の販売を行っていた。この企業が、廃業の危機に追い込まれていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

平安南道(ピョンアンナムド)の平城(ピョンソン)の住民は、家で使っていたソーラーパネルが故障し、買い換えようと自宅マンションの近所にある「ハナ電子商店」を訪れた。

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かつては中国製の液晶テレビ、冷蔵庫、ソーラーパネルなど様々な電化製品が所狭しと並べられていたが、今売られているのは細々とした付属品数種類だけ。ソーラーパネルも電化製品も全く在庫がなく、手ぶらで帰るはめになった。

電力事情が極めて悪い北朝鮮で、ソーラーパネルと充電器、変圧器は電気を安定して使うために欠かせないものだ。

(参考記事:北朝鮮が国民に「ソーラーパネル」を猛プッシュする理由

平安北道(ピョンアンブクト)新義州(シニジュ)の情報筋も、電動自転車を買おうと13日にハナ電子商店の現地の店舗に訪れたが、品物がなくて買えなかったという。

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北朝鮮の地方都市は、公共交通機関が整っていない上に、当局がコロナ対策としてポリバス(民間人運営のバス)、タクシーの運行を厳しく統制しているため、移動には電動自転車やバイクが欠かせない。需要の高まりを受けて値段が高騰、1台400ドル(約4万1300円)だったものが倍以上の値段で売られるようになった。

ところが今年1月、当局は新型コロナウイルスの流入を防ぐため、国境を封鎖。貿易が止まって電化製品が全く輸入されなくなり、店頭から商品が消えてしまったのだ。

「電動自転車、冷蔵庫、洗濯機、アイロンなど家電を山積みにして売り、外貨を稼いでいたハナ電子商店が、経済制裁で営業に支障をきたすようになったと思ったら、コロナ事態まで重なり、商品の在庫が底をつき、閉店してしまった」(新義州市民)

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当局は、財政難、外貨不足を補うために、国民の「外貨タンス預金」をどうにかして引き出させるために、レストラン、レジャー施設などを次々に作り、外貨を国庫に吸収していた。ハナ電子商店もその一つだった。

(参考記事:北朝鮮、地方に広がる「ファストフード店」 味には賛否両論