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韓国の盧武鉉大統領とベトナムのノン・ドク・マイン共産党書記長が訪朝し、平壌市内を車に乗って進む場面を見ると、首脳を歓迎する人々の後ろに様々な建物が写っている。これが気になった視聴者もいただろう。

北朝鮮では、首都・平壌に住めるだけでも特権階級に分類される。とりわけ、市内の大道り周辺のマンションに住んでいる住民は、北朝鮮の身分制度で最も上にいる人たちだと、脱北者は口を合わせる。

「一線道路」周辺の住民は特権階級

北朝鮮では、金正日総書記が頻繁に利用するか、利用する可能性がある道路を「一線道路」と呼ぶ。一線道路沿いの住居を住民に割り当てるときに最も重要視されるのは、金正日氏への各種のテロを防止することだという。

平壌市内の一線道路沿いのマンションは、中央党(朝鮮労働党中央委員会)や市党(朝鮮労働党平壌市委員会)、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)などの幹部らに優先的に割り当てられる。それ以外の人が入居するにあたっては、徹底した身元調査が行われる。

「平壌で一線道路沿いマンションに住むには、保衛部(秘密警察)や安全部(警察庁)、党の調査機関の徹底的な身元調査にパスしなければならない。一線道路では、金正日総書記と係わる各種の1号行事がよく行われるからだ」

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(平壌出身の脱北者、キム・ヨンヒ<仮名>さん)

家族でも自由に泊まれない一線道路沿いのマンション

このようなマンションでは、実際に居住している人以外は1泊たりともすることができない。たとえ家族や親戚であっても、許可を得なければ夜になれば出ていかなければならない。

「同じ平壌に住んでいても、一線道路沿いのマンションに住む両親や兄弟の家に自由に泊まることすらできない。泊まる時は必ず、夜中でも管轄の保安所(交番)に行って、担当の保安員(警察官)に届け出て、宿泊台帳に家族との親戚関係を具体的に登録して承認を受ける必要がある」

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「1号行事の前や開催中は、一線道路沿いのマンションの住民は、ほぼ毎日保衛部や安全部の宿泊検閲を受ける」

宿泊検閲とは、その家に登録された住民以外が泊まったり住んだりしていないかの検査だが、その理由についてキムさんは金正日氏の乗った車に対して起こりうる突発事態、つまりテロを防ぐことに目的があると述べた。

2004年に起きた龍川(リョンチョン)の列車爆発事故が念頭にあるのは言うまでもない。北京から帰国の途についた金正日氏を乗せた列車が通過した直後に起きたこの事故だが、真相は解明されておらず、金正日氏を狙ったテロだったのではないかとの見方が存在する。それ以前に、北朝鮮は非常に事故の多い社会だ。

(参考記事:谷底に広がった凄惨な光景…北朝鮮で列車が転落「死者5000人」説も

特権階級にも義務が

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脱北者のイ・エランさんは「平壌市民にとって、一線道路沿いに住むことはとても重要なこと」「それはそれだけ北朝鮮政府の信任を受けているということであり、また他の住民よりも良い待遇を受けることができるから」と語った。

1989年に開かれた世界青年学生祝典の時には、外国人が突然訪問する可能性があるという理由で、一線道路沿いのすべてのマンションに、カラーテレビが1台ずつプレゼントされ、また、別のイベントの際にはハムが配給されたが、もらえた地域を「ハム地帯」、もらえなかった地域を「非ハム地帯」などと呼んでいたと、イさんは語った。

一線道路沿いの住民は特権階層ではあるが、だからといって楽ができるわけではない。

「一線道路沿いに住んでいる人は苦労が多い。毎朝の道路掃除は基本で、ゆきが積もれば真夜中でも外に出て雪かきをする。一睡もせずに一晩中雪をかいていた叔父に『大変じゃないか』と尋ねたら『雪かきを適時にしなければ、将軍様(金正日氏)の車がアイスバーンで滑って大変だ』と言われた」(イさん)

また、特権があるということは、失うものがそれだけ多いということだ。

最高指導者の身辺の安全を何よりも重要視する北朝鮮は、1970年代後半までに、出身成分(身分)に問題があるとされた人々を地方に追放した。

「平壌では数年に1回、定期的に住民を地方に追放した。北朝鮮政府はいったいどれだけ多くの平壌市民を追放したのだろうか。1992年に平壌に行って中学校の同級生を訪ねたが、53人のうち残っていたのは16人だけ。市民の半分以上が出身成分のせいで地方に追い出されたと見ていいだろう」(キムさん)

(参考記事:障碍者という理由だけで追放される「革命の首都」平壌

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