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北朝鮮観光の目玉であるマスゲーム。北朝鮮の国家観光総局の公式ページ「朝鮮観光」(外部リンク)は、マスゲームのことを次のように描写している。

歯車のようにかみ合った体操隊と千変万化する神秘の世界をなす背景台、迫力がある軽快な音楽がよく調和し、次々と繰り広げる優雅で洗練された律動の体育技巧動作によって観衆の心をとらえる朝鮮のマスゲーム。

マスゲームは、2013年を最後に行われなくなっていたが、今年から再開にすることとなり、各旅行会社が観光客の誘致に乗り出したと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

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北朝鮮は今年9月9日、70回目の建国記念日を迎えるが、マスゲームはそれに合わせて開催される。期間は9月9日から31日までで、以前と同じスケジュールなら週4回の開催となる。

中国・北京にある北朝鮮専門旅行会社の最大手と言われるコリョツアーは、マスゲームツアー専用ページを立ち上げ、売り込みに乗り出している。

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3泊4日で800ユーロ(約10万5000円)の比較的安いツアーから、マスゲームや平壌市内観光に加え、高原地帯にありリゾート地として有望と言われている赴戦湖(プジョンホ)など、国内の観光地を22日かけて回るメガツアー(4000ユーロ、約52万6000円)に至るまで、様々なツアーが用意されている。同社は、建国記念日とあって「軍事パレードも見られるかもしれない」と売り込んでいる。

スウェーデンの旅行会社「コリア・コンサルト」は、マスゲームの観覧を含めた北朝鮮ツアーの募集を始めたが、問い合わせと予約が増えているという。同社のミシェル・ダラード副社長は、RFAの取材に「夏と秋に観光客が集中するが、今年はマスゲームが行われることになったので、その時期に予約する人が増えた、マスゲームは観光客が最も関心を持つイベントの一つ」と述べた。

(参考記事:実は近くて普通に行ける、北朝鮮旅行

前述の「朝鮮観光」によると、マスゲームは1961年9月19日に朝鮮労働党第4回大会を祝って行われた「労働党時代」が初めてのもので、「千里馬朝鮮」「労働党の旗の下に」など35の作品が数千回公演され、60年近い歴史を持っているとのことだ。

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特に、金日成賞受賞作品である大マスゲーム・芸術公演『百戦百勝の朝鮮労働党』(朝鮮労働党創立55周年に際してチュチェ89〈2000〉年10月に行われる)と『アリラン』(金日成主席の生誕90周年に際してチュチェ91〈2002〉年4月から行われる)は20世紀の体育文化芸術の総括作品として、21世紀の最初の代表作、朝鮮のシンボルとして世界に広く知られています。

今も、『アリラン』を観た世界の多くの人々は「世界最高峰の体育芸術」「傑作中の傑作、大作中の大作」であると賛辞を呈しています。 大マスゲーム・芸術公演『アリラン』はチュチェ96(2007)年8月14日、ギネスブックの証書を授与されました。

「朝鮮観光」より

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2002年から始まり、10万人が出演する「アリラン」は、水害被害のあった2006年を除いて毎年行われていたが、2014年に急に中止となった。

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南北の融和ムードを受けて、北朝鮮を訪れる外国人観光客が急増しているが、マスゲームの再開は、観光業に力を入れ経済発展につなげたい金正恩党委員長の意向が働いているものと思われる。

(参考記事:急増する中国人観光客を「軍用装備」で輸送する北朝鮮