北朝鮮国営の朝鮮中央通信は10日、金正恩党委員長が中国との国境地域にある両江道(リャンガンド)の三池淵(サムジヨン)郡で、農業施設や建設現場を集中的に視察したことを伝えた。視察の日時は明らかにされていない。

白頭山(ペクトゥサン)の麓に位置する同地は、北朝鮮の公式の歴史において、金日成主席が抗日パルチザン闘争を繰り広げ、その最中に金正日総書記が誕生した「革命の聖地」とされている。また、風光明媚な景勝地でもある。

金正恩氏は近年、一帯の開発に注力しており、同地と両江道の道都・恵山(ヘサン)市を結ぶ白頭山観光鉄道の開通が近いことが、デイリーNKの取材でわかっている。

同通信によれば、金正恩氏はジャガイモを生産する三池淵郡中興農場と、三池淵ジャガイモ粉生産工場、郡内の建設現場を見て回った。

金正日氏は1990年代の食糧難に際し、ジャガイモを主食の代替とする「ジャガイモ革命」を提唱。今年はそれから20周年に当たる。農場を視察した金正恩氏は、「党のジャガイモ農作革命方針提示20周年になる意義深い今年、金正日総書記の故郷にジャガイモの山を高く積んで、両江道のジャガイモ農作問題のためにそれほど気づかった総書記の念願を必ずかなえてやろうと胸熱く述べた」という。

(参考記事:北朝鮮「ジャガイモ革命」が成功しすぎて処分に困る

一方、金正恩氏は教育・住宅・産業・スポーツ・文化・商業サービス・観光など複数の区画整備が進行中の建設現場を視察。「三池淵郡の建設を通じて現代文明が凝縮された山間都市の典型を創造し、その経験を一般化してわが国の山間地帯の全ての郡の面ぼうを一新させ、立派に整備しなければならない」と述べた。それと同時に、「三池淵郡を建設しながら山林を破壊する現象が現れてはならない」と強調。「白頭山地区の生態環境をそのまま保存しなければならない」と述べた。

一連の視察には、朝鮮労働党中央委員会の幹部である黄炳瑞(ファン・ビョンソ)、趙甬元(チョ・ヨンウォン)、呉日晶(オ・イルチョン)、金勇帥(キム・ヨンス)の各氏が同行した。

金正恩氏はまた、三池淵郡党委員会の活動家らと記念写真を撮った。