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鴨緑江を挟んで北朝鮮と向かい合う中国遼寧省の丹東は、北朝鮮との貿易で潤ってきた町だ。昨今の中朝関係の悪化と国際社会の対北朝鮮経済制裁は、この都市に極めて深刻な影響を及ぼし、「バイヤーが忙しく行き交っていた通りからほとんど人が消えた」(米CNN)ような状況となっていた。

朝鮮半島の雪解けムードを受けて、丹東経済はようやく活気を取り戻しつつあるあるが、不動産価格が暴騰するなど、さっそく過熱気味となっている。

中国の証券時報によると、丹東には全国から不動産を買い求める人が殺到し、不動産価格が急騰している。一部地域では2日間で5割も上昇した。

不動産の登記を受け付ける丹東市不動産登記中心には、多くの人が押し寄せ、1日の処理件数が260件に達した。処理能力が限界に達したため、先月25日からは番号札を発行し、指定の時間に登記を受け付けるとの方針が示された。

丹東の情報筋は、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に、現在の状況を次のように説明した。

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「北朝鮮がまもなく改革開放に乗り出すだろうとの噂が立ち、マンションなどの不動産価格が上昇しつつある」

「金正恩氏の電撃訪中に続き、南北首脳会談の開催で朝鮮半島に風が吹き始めた。それが丹東新区の不動産景気に良い影響を及ぼしている。近日中に開催される米朝首脳会談も成功すれば、丹東は不動産のみならず経済全般が盛り上がるだろう」

北朝鮮は2002年、丹東側にせり出した自国領の黄金坪(ファングムピョン)を経済特区に指定し、本格的な開発に乗り出す構えを見せた。

(参考記事:開発中断3年目の「黄金坪」…北軍人が畑耕すのみ

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これを受けて丹東市政府は、市内中心部と黄金坪に挟まれた地域を「丹東新区」に指定し、開発を行った。その意気込みのほどは、市政府の庁舎を新区に移転させたことからも伺えた。また、多額の予算を投入して、中朝を結ぶ新たな橋「新鴨緑江大橋」を完成させた。

ところが2013年、黄金坪の開発を主導していた北朝鮮の張成沢(チャン・ソンテク)元国防副委員長が処刑されて以降、丹東経済に暗雲が立ち込めるようになった。

北朝鮮が核、ミサイル開発を進めるにつれ、中朝関係は悪化していった。その影響を受け、かつて北朝鮮企業が参加する見本市の中で最大の規模を誇っていた「中朝博覧会」が、2015年を最後に開かれなくなった。

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新区の不動産価格は下落し、一部はゴーストタウン化するなど、丹東経済は最悪の状況となっていたが、一連の首脳会談を景気に泥沼から抜け出せることができるか注目されている。