北朝鮮当局は、個人による建築資材の輸入を禁止し、貿易会社に一元化させる措置を取った。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

北朝鮮は、マンション建設に当たってトンジュ(金主、新興富裕層)から投資を募っている。投資は現金で渡される場合もあれば、建築資材を提供する場合もある。後者の場合、トンジュが貿易会社に注文して中国から資材を取り寄せてきた。つまり、個人代行輸入の形だ。

(参考記事:北朝鮮、制裁下で「建設資材を大量輸入」の謎

国際社会の制裁は未だに続いているが、平壌郊外の万景台(マンギョンデ)、楽浪(ランラン)区域などでは春を迎えてマンション建設が再開された。平安北道(ピョンアンブクト)の情報筋によると、当局は資材を個人的に取り寄せることを禁止し、貿易会社が一括して輸入するよう指示を下した。トンジュは必要な資材を、平壌市内の統一通りにある貿易会社系の国営商店で購入するようになった。

このような流れは昨年11月ごろから起きているが、最近になって本格化したもようだ。

別の情報筋によると、かつて建築資材の輸入は国家資材総局が一手に引き受けていた。しかし、1990年代後半の大飢饉「苦難の行軍」を境に国の配給システムが崩壊し、資材が円滑に供給されなくなった。そこで、トンジュは貿易会社に注文して取り寄せる形を取るようになった。

この措置について情報筋は、バラバラに行われてきた建築資材の輸入、販売の役割分担を明確にする意図があると見ている。また今後は、建築資材のみならず生活必需品もこのような方式で輸入、販売されるようになるとも見ている。

今までの個人輸入に比べると、マージンが上乗せされるため価格が上昇したが、大量に仕入れるため、従来は地域や時期によりバラバラだった値段が安定する傾向にあるという。つまり、貿易会社にとってもトンジュにとっても悪くないということだ。

北朝鮮では、何らかの商売をするにあたって、ワイロは払いつつも公式の許可を得ない状態でやることが多かった。ソビ車(個人運送業)などは、国営の工場や企業所の名義を借りて、営業していた。

それが今では、各市の人民委員会に登録させ、利益の1割を税金として納める条件で、業管理所所属という看板を掲げさせ、営業を認めるという方式に変わりつつある。また、大口の取り引きは党、軍、政府系の貿易会社に権利を与える傾向にある。

流通システムの整備は、公式に税金制度の存在しない国において安定的な「税収」を得られるようにするシステムの整備とも、経済の主導権を国が取り戻すための措置とも言えよう。