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先月26日に行われた中朝首脳会談を契機に、凍結状態にあった中国と北朝鮮間の投資、貿易、ビジネスが息を吹き返す兆しを見せている。北朝鮮では、不動産市場が活気を取り戻しつつある。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、羅先(ラソン)経済特区では昨年ごろから北朝鮮の貿易会社と中国企業の合弁で高層マンションの建設が進められていた。

米国の北朝鮮専門ニュースサイト、NKニュースは2016年末、北朝鮮の貿易会社が羅先のマンションを、まるで資本主義国の企業のように積極的に売り込んでいると報じ、マンションのパンフレットを公開した。

NKニュースが公開した羅先のマンションのパンフレットの一部(画像:NKニュース)
NKニュースが公開した羅先のマンションのパンフレットの一部(画像:NKニュース)

予算不足で新たなマンションの建設ができなくなった北朝鮮当局は、トンジュ(金主、新興富裕層)や中国の投資家の投資を募り、建築費用を確保する方式を取ってきた。

(参考記事:中国誌「平壌のマンション価格、6年で67%上昇」

しかし中国は、国際社会の動きに歩調を合わせ、北朝鮮に対して合弁会社の設立、運営を禁止するなど極めて厳しい姿勢を取るようになった。そのあおりで羅先のマンション建設は中断を余儀なくされていたが、情報筋によると、最近になって建設が再開された。

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完成した、または完成を目前にしているのはいずれも20階建て以上の高層マンションで、中国が設計と資材を、北朝鮮が土地と労働力を持ち寄る形で建設が進められている。

「特区内のマンションは、高級幹部やトンジュに買われていて、供給が需要に追いつかないほどだ。価格は立地、向き、フロアに応じて3万ドルから5万ドル(約321万円〜536万円)だ」(情報筋)

平壌市内中心部のマンションの平均的な価格である20万ドル(約2144万円)と比べるとかなりお手頃だが、いずれにせよ市場で物を売ってその日暮らしをしている北朝鮮庶民にとっては天文学的な額だ。カネの出所を怪しむ声が上がるのは当たり前のことだ。

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別の情報筋は「制裁が解除されたわけでもないのに、中国の投資者が殺到するのを見ると、実質的には経済制裁など存在しないも同然だ」と述べた。

不動産以外にも、制裁が禁じている北朝鮮労働者の雇用を再開する動きが見られている。中国のデイリーNK対北朝鮮情報筋は、遼寧省丹東のアパレル工場の北朝鮮人支配人の話として、北朝鮮労働者100人がすでに働いており、今後1000人が到着すると伝えている。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)茂山(ムサン)の住宅価格についての論文を書いた慶尚大学のチョン・ウニ教授によると、北朝鮮の住宅価格は、家そのものの質に加えて、市場、公共施設へのアクセスや物資運搬が容易であるか、上下水道が完備しているか、断水の際に使える井戸水は出るかなどの条件により左右される。

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また、地域を管轄する人民班長(町内会長)、保安員(警察官)、保衛員(秘密警察)の性格や、彼らとの関係性も、家選びの重要な目安となる。いくら忠誠心の塊のような人でも、彼らとの関係が悪ければまともに生きていくことができないのが北朝鮮社会だからだ。