1996年9月の江陵潜水艦侵入事件で、北の武装スパイの内唯一生け捕りされた李光洙(イ・グァンス=46)氏は潜水艦(サンオ級)の操舵手であった。階級は軍官の上位で 逮捕後、イ氏は国内に定着し2005年に慶南大で修士学位を取得した事実だけが知られていた。国内外のメディアに一切出演しなかった。

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デイリーNKの取材に答えるイ・グァンス氏

そのイ氏が、デイリーNKにインタビューの意思を明らかにしてきた。イ氏は天安艦事件合同調査団が明確な証拠を示したが、韓国国内で疑惑の声が絶えない様子に胸を傷めているという。また北朝鮮の国防委が28日、『天安艦事件は捏造』と主張したことに、これ以上沈黙することが難しくなったと話した。

同氏は31日、ソウル市内の某ホテルで、偵察局での勤務経験を土台に天安艦事件に対する自身の見解をよどみなく打ち明けた。

まず、北の国防委が28日の記者会見で『130トンのヨノ(サケ)級潜水艇を保有していない』と主張したことに反論した。

「ヨノ級潜水艇を数回に渡って目撃した。ロミオ級から超小型潜水艦まで操舵訓練を受けた。ヨノ級はユーゴ級を改造したと思えば良い。ユーゴ級は魚雷発射管を持っているが、ヨノ級は発射管がない。その代わりに左右に中魚雷を直接装着し、電気ショックを加えて魚雷攻撃を敢行う」と話した。

同氏によれば北朝鮮はロミオ級、サンオ級、ヨノ級、ユーゴ級という名称の代りに、大型、中型、小型、超小型という名称を使うという。130トン級は小型に該当する。

「130トン潜水艇が1.7トンの中魚雷を搭載し攻撃を行い帰還する事は不可能、という北の国防委の主張は事実と違う」と話した。

「130トン級が東海から単独で航海し西海まで侵入して復帰するのは不可能だ。しかし、漁船に偽装した母船と共に行動すれば難しいことでない。偽装漁船が西海近海まで侵入した後、潜水艦を送れば南側が摘発しにくい。今回の合調団の発表のように、偽装漁船でペクリョン島近海に訪れ潜水艇を侵入させる方法を使ったようだ」と話した。

これと関連し、合調団も「天安艦攻撃の2〜3日前に一部の小型潜水艦と母船が西海の海軍基地を離脱し復帰したのを確認した」と発表していた。

同氏は北朝鮮で偽装漁船の内部を潜水艦を搭載できる様に改造した船を直接見たと話した。

北朝鮮は咸鏡南道楽園郡セポ里に偵察局3基地を作り『母船-子船』部隊を配置しているという。同氏はここを訪問した当時、北朝鮮が直接造船した偽装母船を見たという。その後、機能面の問題からか再び改造を行うと聞いたが、1996年9月の南派されたので完成した母船は見ることができなかったという。

イ氏は天安艦事件の発生直後から北朝鮮の小型潜水艦の仕業を直感したという。その理由として大型潜水艦の魚雷攻撃の場合、騒音から発射後直ちに位置を把握される為だと話した。

「潜水艦で発射される魚雷は高性爆薬が1トンを越え、これを圧縮空気で押し出す際に発生する騒音がとても大きい。押し出された後にプロペラが推進体を運ぶ仕様だ。魚雷を撃つのは可能だが、発覚しやすい。対南侵入攻撃は隠密性が最も要求される為、北朝鮮がバカではなければこのような方法を使うだろうか?」と話した。

機雷の可能性に対し「音響式機雷の設置はきわめて難しく、機雷の爆発力が今回の魚雷の5倍を越える事から、今回の事件の損傷程度からこの可能性はほとんどないと見た」と話した。(続く)

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