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ちなみに文徳郡では、トウモロコシ、トマトなどが栽培されているが、特に儲かるのはニンニクだ。海が近く土地に塩分が多いため、味と香りがよいと評判だ。中国産のニンニクも入ってくるが、多少高くても文德のニンニクを買い求める消費者が多いという。

ニンニク収穫後の8月には白菜と大根を植える。越冬用キムチの材料として確実に売れるからだ。他にはアヒルを飼ってヒヨコやたまごを売る人や、豚を飼う人もいる。このように、国や農場の指示ではなく、農民個人が判断してカネになる作物を作るのだ。

元手があればかなりの儲けになるが、カネも土地もない人は苦しい暮らしを強いられている。穀倉地帯でありながら、この地域の農民の暮らし向きは他よりもひどいようだ。