北朝鮮農業科学院で勤務経験を持つ脱北者のイ・ミンボクさんによると、北朝鮮には消防用ヘリコプターがなく、地方では消防車や様々な消防設備が不足している。火を消そうにも、住民を動員して、手や布で叩くぐらいのことしかできない。
装備をまともに供給できないことを棚に上げ、現場を批判するのは北朝鮮当局の常套手段だ。
2015年5月31日の労働新聞は、咸鏡南道の咸興(ハムン)、耀德(ヨドク)、虛川(ホチョン)の幹部に対し、山林の監視、山火事の通報、消火人員の動員を怠ったため、山火事に対処できず、被害を拡大させたとして、「胸に手を当てて、党の政策を貫徹する精神と愛国心があるのか反省すべき」などと厳しく批判する記事を掲載した。
一方、火事を見ても何もできない状況に、現場の消防士は心苦しい思いをしている。