2012年に脱北した慈江道(チャガンド)江界(カンゲ)出身の元消防士、キム・ヨンウクさんは、韓国の北朝鮮専門ニュースサイト、ニューフォーカスに次のように語っている。
「夜中に民家が燃えているとの知らせが入ったが、消防車にガソリンが入ってなかった。上部に連絡してガソリンを手配しても、今度はタンクに入れる水がなかった」
「現場に向かう途中で、消防車のタイヤがパンクした。消防隊長が、タイヤを中古にはめ替えていたからだ。新品のタイヤは、盗んで上官にワイロとして渡していた」
「ようやく現場に着いたころには、村人たちがたらいで炎に水をかけていた。やがて、家はコンクリートの壁を残して燃え尽きた。恨めしそうに泣く住人を見て、心苦しくなった」