保衛省は、韓流ドラマの動画ファイルを保有していたという容疑だけで、女子大生にせい惨な拷問を加える残虐部隊として知られている。そのせいで、保衛省に対する民衆の怨嗟の声は強い。そうしたこともあり、多くの幹部は無事ではいられないだろうとも言われている。
(参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…)では、泣く子も黙る保衛員たちが恐れる過去の大粛清の悪夢「金炳夏事件」とは、どのようなものだったのだろうか。
女性収監者に「性暴行」も
1973年2月15日、住民の動静を探るために警察にあたる社会安全部(現人民保安省)から独立させる形で、国家政治保衛部(以下、政治保衛部)が新設された。トップである部長に就任したのは金炳夏氏だった。