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朝鮮語を理解できない外国の研究者や記者などは通訳を介さなくてはならないが、通訳にそんな事前知識があるはずもなく、中朝国境の現場はまさにカオスだった。

それから20年が経ち、そんな悩みも過去のものとなった。韓国入りした3万人にのぼる脱北者の証言や、デイリーNKのような北朝鮮内部での取材活動によって、北朝鮮の人権侵害の全貌はほぼ明らかになったといってよい。

その集大成が2014年2月に北朝鮮における人権に関する国連調査委員会(COI)がまとめた「朝鮮民主主義人民共和国における人権に関する国連調査委員会の報告」だ。全425ページにのぼる報告書は、日本人拉致問題を含む、過去20年間集められた北朝鮮政府による人権侵害を体系化し「人道に対する罪」が起きていると結論づけた。

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さらにこれを改善するために、北朝鮮は国家的な人権侵害システムを改め、国連は「首謀者」である金正恩氏をはじめとする北朝鮮の最高幹部たちを国際刑事裁判所(ICC)に告発し、法廷で説明責任を果たすようにすべしとしたのだった。