移動の自由、言論の自由がない北朝鮮では、情報が分断されているため、住民が社会全体を見渡しある事象を位置付けることが難しい。
さらに困ったことに、北朝鮮の人々もさるもので、こちらがよく理解していないことが分かると、大げさな悲劇を付け足すなど話を盛ったり、適当にはぐらかしたりするのである。派手な話をしたら、もしかしたらいくらかの支援を受けられるかもしれないという心理は、数十万から一説に100万人以上の餓死者を出したという1990年代の悲惨な状況を考えると十分に理解できる。
とはいえ、北朝鮮独特の用語の理解はインタビューの精度に関わる大事な問題であった。