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北朝鮮当局は2009年11月30日午前11時、旧紙幣の流通を停止し、通貨の単位を切り下げた上で、新紙幣に交換する貨幣改革を断行した。その後、市場や食糧の価格の取締りを実施し、市場経済の統制に積極的に乗り出しているが、外為相場やコメの価格が2倍に高騰するなど混乱が続いている。

当局は、方針に従わない住民を公開処刑するなど、恐怖政治を強化している。

中国との国境に程近い平安北道(ピョンアンブクト)の東林(トンリム)に住んでいたチェ・ガンホさん(仮名、32歳、現在中国で潜伏中)と、リ・オクシムさん(仮名、32歳)は、中国でデイリーNKの記者の取材に応じ、「(外貨使用禁止令違反者を)銃殺や刑務所送りにしているが、外貨の取引は続いている。取り締まりが厳しくなればなるほど、やり方もだんだんと巧妙になっていく」と述べた。

平壌のデイリーNK内部情報筋によると、当局は昨年12月28日に外貨使用禁止令を出すと同時に、みせしめとして不法に外貨を流通させた容疑で、平壌市内の平川(ピョンチョン)区域在住の女性2人を公開銃殺し、家族を平壌から追放した。

また、今月5日には東海岸の咸興(ハムン)市興南(フンナム)区域の西湖(ソホ)水産事業所で、漁船を通じて中国人民元と米ドルを入手し、使用した容疑で女性3人が公開銃殺されたという。

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この事件について情報筋は「漁師は取った魚を中国の漁船に直接売って現金を得ているが、今回銃殺された女性もそうしたことをしていた」とし、「今回の事件で西湖水産事業所の多くの漁船に検閲が入り、船長も取り調べを受けている」と伝えた。

取った魚は、水産事業所に収めることになっているが、一切の収入が得られないため、会場で中国漁船に売りたわすという。

当局は、国内での外貨使用に銃殺という強硬策で対処しようとしているが、中国との国境に近い地域を中心に、国内での外貨に対する需要はむしろ伸びていると、複数の情報筋は口を揃えた。

(参考記事:北朝鮮、新貨幣の不正交換で2人を銃殺

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デイリーNKと電話取材に応じた両江道(リャンガンド)の情報筋は、対人民元レートが高騰していると伝えた。9日まで1元は20北朝鮮ウォンで取り引きされていたが、15日には30北朝鮮ウォンまで上がり、コメ1キロも100北朝鮮ウォンだったのが、1週間足らずで2倍に高騰した。

その原因として複数の情報筋は、当局が年が明けてから市場価格を取り締まり、一部の地域では市場を閉鎖したことを挙げている。日常品が不足しているのに、市場が閉鎖されたため、消費者は高い言い値で買わされる状況になっている。