北朝鮮で6月1日から金正日総書記の命日である12月17日までの期間で行われていた大増産運動「200日戦闘」がようやく終わった。相次ぐ勤労動員で人々はクタクタになっているが、一息つく間もなく今度は「防空壕を拡張せよ」との指示が下され、人々の間からは怨嗟の声が上がっている。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

両江道(リャンガンド)の情報筋によると、中央から突然「人民軍(北朝鮮軍)の冬季訓練が始まるのに合わせて、来年5月までに防空壕を拡張せよ」との指示が下された。

今の防空壕は、車1台がようやく入るほどの大きさだが、これをトラックが2台停められるほどに拡張せよというものだ。

各企業所や機関では、会議を開き、拡張工事に必要な労力と資金の確保に乗り出した。個々人は勤労動員に応じることが求められるが、参加できない場合には募金を払えばいいとしている。

人々の間では、当然のことながら、「今度はまた防空壕工事か」「それにもよりによって冬に工事をさせるのか」と非難轟々だ。

両江道の別の情報筋によると、一部地域では既に工事が始まっている。しかし、硬い岩盤にぶち当たり、工事は遅々として進まないという。

まず、防空壕の多くは硬い岩盤に作られていることが多い。ツルハシを使って人力で掘ることは非常につらい仕事であり、多くの人が募金を払って動員を免れようとする。そのため今度は人手が足りなくなるという悪循環だ。

それだけではない。中央からは一切に費用や資材は提供されず、1世帯あたり2万北朝鮮ウォンの工事費用、シャベル、爆薬などの工具から、動員された人々の食事に至るまで、すべてを各企業所、機関、あるいは個々人で負担しなければならない。

実に無駄な作業だが、この狙いは戦争危機を喧伝し緊張感を煽りながら内部結束を高めることにある。しかし、今の北朝鮮では庶民も海外から情報を得る人々が多いため、以前のような効果はない。

人々は「最先端の武器が次々に登場しているというのに、防空壕を拡張して何になる」と、中央の指示を鼻で笑っているという。

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