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物理的に放棄して取り引きできる核・ミサイルとちがい、人権侵害の罪をあがなうためには、責任者(金正恩氏)の処罰が不可欠になろうとしているからだ。

金正恩体制と国際社会との和解が極めて困難になる中、金正恩氏が体制を維持するために残された数少ない手段が「核武装国家」になることだった。仮に、米国が核保有国として認めなかったとしても、核武装さえすれば攻撃されることはない。中露をはじめとする周辺大国とは対等に、韓国や日本に対しては優位な立場に立てる。米国に到達する核ミサイルが開発できれば、あわよくば米国から一方的に譲歩を引き出せるーーこれこそが金正恩氏が核・ミサイル開発を進める真の狙いだ。

同時に、人権問題に関しても対話の余地を放棄しつつある。