2016年の北朝鮮を振り返る(4)

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北朝鮮は2016年1月6日に第4次核実験、そして9月9日に第5次核実験を強行した。2006年から3年、ないしは4年に一回だった核実験を1年間に2度も行うとは尋常ではないペースだ。また、日米韓、そして中露をはじめとする周辺国は核実験の兆候を事前にとらえきれなかった。

さらに、金正恩党委員長の「核の暴走」の裏に潜む真の狙いもつかみきれなかった。正恩氏の核・ミサイル戦略を見誤ったからだ。金正恩氏は昨年末から、今年の「核の暴走」を示唆するシグナルを発していた。

核の暴走の裏に拷問・処刑

昨年12月、金正恩氏は水爆実験に言及した。年が明けて第4次核実験の前日の1月5日に、北朝鮮国営メディアの朝鮮中央通信は「核抑止力」の正当性を主張する記事を配信した。そして、3月に正恩氏は「核弾頭爆発」の実験を早期に行えとの指示を下していた。