一方、金正恩氏は政治的な効果よりも、一日も早く核・ミサイルを実勢配備することを優先している。それを裏付けるのが、2016年の2回の核実験と相次ぐミサイルの発射実験だ。仮に失敗したとしても、または度重なる実験を通して戦力が分析されたとしても、核・ミサイルの実戦配備、すなわち「核武装国家」に向かって突き進むことを決意したようだ。
今年、北朝鮮国営メディアの論説などで、とくに目立ったのが「我々の核は交渉するためではない」「我々は既に核保有国だ」という主張だ。まさに、核武装国家になるという金正恩氏の思惑を代弁していたのだ。
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では、なぜ金正恩氏は核・ミサイルを米国との交渉カードにすることを止めて、核武装国家をめざすのか。