だが、投票を一か月残して「野党勝利のため」出馬を辞退し、文在寅氏への支持を宣言。2013年からは国会議員として、再度政治の表舞台に復帰した。新党を立ち上げ「民主党(当時は新政治民主連合)」と合併するなどしたが離脱、2016年2月に立ち上げた「国民の党」が同年4月の総選挙で躍進をとげ、再度大統領候補として注目されている。直近の世論調査では支持率10~12%程度で4位につけることが多い

政治の性向は中道であるが、北朝鮮問題では右派に近い。理系の経営者らしく実利的な面も目立つ。例えば「急激な統一は災難となる」といった視点がある。対北朝鮮政策としては「制裁と対話」を並行しなければならないとするも、韓国独自の軍事力を高める必要があるとする。つまり、これといったアイディアがある訳ではないといえる。周囲のブレーンの質も文在寅氏と比べると一段落ちるとされ、金正恩氏に振り回される可能性がじゅうぶんにある。与しやすい相手といえるだろう。

潘基文(パン・ギムン、72歳)

言わずとしれた国連事務総長で、10月末に「崔順実ゲート」がぼっ発し、野党候補に人気が集まるまでは、世論調査で不動の1位を誇っていた。一時は30%に肉迫していたことも。今年12月31日で10年間の任期を終えたあとは国内に帰国し、立候補すると言われる。