これに対して医療政策研究所は2012年、10年以上の医療に従事した経歴のある脱北者に対して「臨時医師免許」を発行する案を提案した。ところが、大韓医師協会のムン・テジュン名誉会長は医療ニュースサイト「ドクターニュース」の取材に対し、ただでさえ医師の数が余っているとして、この案に反対した。
それに先立つ2006年、憲法裁判所は、北朝鮮で取得した漢方医の免許は韓国では無効とする韓国政府の方針に対して違憲判決を下している。しかし、北朝鮮での教育は、内容や条件が韓国とは大きく異なり、たとえ認められたとしても、就職は難しい。
そのため、約130人の専門職従事者のほとんどは、脱北後に元の職業に戻れずにいる。
平均月収は3分の2
また、生活支援が行き届いていないことも、脱北者の窮状が解消できない原因となっている。