「借りなければ死んでしまう」農場幹部が明かす

金正恩党委員長が北朝鮮の指導者となり、年末で丸5年を迎える。その間、北朝鮮の国営メディアは、まばゆく発展する首都・平壌の姿をこれでもかと誇示してきた。高層マンション、巨大遊園地、ファストフード店…現地に足を運んだ人の報告ともあいまって「ああ、北朝鮮経済も発展しているんだな」との感想を持った人も少なくないだろう。

たしかに、建物はハリボテではない。平壌の経済発展は認めざるを得ないだろう。だが、旅行者の目が届かない農村は、依然としてズタボロである。農民は「底なし沼」としか呼びようのない、絶望的な経済状況の中で暮らしている。これまでの取材成果と、北朝鮮の元農村幹部で脱北者のであるA氏のインタビューをまとめて紹介する。

カネは貸さない高利貸し

A氏は、北朝鮮北部の農場で、作業班長を10年ほど務めてきた。韓国に来て日が浅いため、具体的な出身地名は伏せるが、農村の状況を知り尽くしたベテランだ。90人ほどの農場員を率いて、ジャガイモを栽培していた。