中国は国境の警備を強化し、国内での覚せい剤取引に対する大々的な取り締まりに乗り出した。中国当局によると、2007年に中朝国境で押収された覚せい剤の量は、2005年の4倍に達した。
また、前述のとおり日本でも取り締まりが行われ、北朝鮮からの密輸が困難になった。行き場を失った覚せい剤は、国内市場に流通するようになった。薬物に関する教育を全く受けていない北朝鮮の人々は、不足する医薬品の代わりに覚せい剤を使うようになり、急激に拡散していったのである。
手軽なレジャー
覚せい剤は北朝鮮国内の市場に大量に流通しており、売人はいたるところにいる。
彼らは、トンジュに狙いを定め、「夜(性生活)が強くなる」「痩せる」「頭がスッキリする」などと甘い言葉で誘い、覚せい剤を売りつける。