こうしたなか、農場員は協同農場ではなく、自宅の周りや山の中に作った「個人耕作地」に重点を置く。そこで質の高いものを多く生産すれば市場で高値で売れ、現金収入が増えるからだ。
この状態を改善するために導入されたのが「分組管理制」「圃田担当制」だ。田畑の管理を家族単位に任せて、定められた量以上の収穫があれば、それだけ分配が増える。
しかし、農場の幹部が全体の収穫量を大幅に水増しした数字を報告し、それを元に分配量を決めるため、実際に農民の手元には何も残らない事例や、分配があっても上述のように国が作物を徴発する事例が頻発している。
個人耕作地で生産される農作物は、市場での価格に影響を与えるほど大量に供給されるようになり、食糧事情はかつてに比べて大幅に改善された。