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外交官たちとともに歴史を見守った経験もなく、独裁者としての準備期間もないまま、父親からいきなりすべてを受け継いだのだから当然かもしれない。

いま、祖国に忠誠を誓った北朝鮮の外交官が求められているのは何か。普通に考えれば、核・ミサイル開発に対する国際的な包囲網を打破することだろう。それは、金正恩氏にとっても多大な利益をもたらす。少なくとも短期的には、国民経済を助けることにもつながる。

そして、韓国や米国の姿勢が強硬であるだけに、北朝鮮の外交官が使命を果たすためには、文字通り死力を尽くさねばならない。

ところが、正恩氏はそうさせなかった。外交官たちを外交に専念させず、ほかの「仕事」でもこき使った。党大会や最高人民会議などの政治イベントに際し、また「70日戦闘」や「200日戦闘」といった増産キャンペーンに際し、巨額の上納金をノルマとして課したのだ。