「保衛司令部」は調査権限だけでなく、処刑まで可能な司法権を与えられている。抗日パルチザンの家系など、政府に忠誠心の高い家柄(=土台)の子女で構成され、鉄の規律を誇るのが特徴だ。
保衛部と違い、賄賂も通じず、マニュアル通りの厳しい取締りを行う、文字通り「泣く子も黙る」存在だ。通常、保衛部とは別の命令系統で動き、軍内の不穏な動きを未然に政府中央に報告する役割を担う。
金正恩氏による軍掌握の一環
今回の動きで特筆すべき点は、「新米将校が個別の部隊それぞれに配置されていること」と取材協力者は説明する。
以前は新米将校の場合、保衛部の先輩将校の下につき、業務を学ぶことが慣例であったが、その過程を省略し、卒業直後から強い権限を持つことはこれまで無かったという。