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「どこに報告するのかも分からない『保衛司令部』の若造が、我が物顔で軍内を調査して歩くことに対し、部隊の幹部や保衛部員たちは快く思っていない。とはいえ、指導者直々の『方針』によるものなので、不満を口にすることもできず、おべっかを使う軍幹部もいるようだ」(取材協力者)

舞台となっている咸鏡北道を管轄する「9軍団」が過去、クーデター未遂を行った部隊であることも注目される。1995年、当時「6軍団」であった同軍団は軍、党、保衛部の幹部たちの結託の下、クーデターを計画したが、中央に発覚し、大々的な粛清が行われたことが知られている。

新たなシステムの実験か

粛清後に新たに再編成された軍団ではあるが、金正恩氏がこうした歴史的経緯を踏まえた上で、平壌から最も離れた地域の部隊に強いプレッシャーを与えていることは間違いない。